memo:外部木部塗装(既存と新規)

投稿日 / 2022-03-17

以前おこなった改修工事で印象的だった工程のmemo・・・

和風住宅の外部木部塗装についてです。
既存外周壁の一部を新たにするため、既存鎧張り外壁に繋がる新規鎧張り外壁を設える工事がありました。

その時、木部の塗装色をどうするか?

新しい木材と、長年外壁として役割を担ってきた既存の木材とでは、色合いも目の表情も違います。
既存のものは風雨にさらされ乾燥し、赤みが消え、木目は浮造りになっています。
(これは使用している樹種によっても経年の仕方に違いがあります。面白いですね)

十分に乾燥しているため、これから乗せる塗料の吸込みも強いです。
下記は既存木部+塗装をした場合(左)と新規木部+塗装をした場合(右)の写真です。

実はこれ、両方の木材に全く同じ色の塗料を使用しています。
元々の木材が持つ風合いが違うため、仕上がりにはこんなに差があります。

改修や改装を行うときは既存の質感に大きく影響を受けるのでより入念にサンプルを作り、施主様と仕上がりを確認しながら手をかけていきます。
施主様とのイメージ共有、そして施工状況にご理解をいただく工程であるとともに、我々自身も受け取ったサンプル結果をいつも大変興味深く感じています。
物件ごとに既存状況や使用されているものが違うので、「今回の場合どのようにすれば目指す仕上がりになるのか?」トライアンドエラーの段階です。
施主様のイメージと発想、社内での方法検討、職人さんの経験と知識……三者が一丸となって最善を見つけるところに楽しさがあります。

ちなみにこの時の塗装は最も色差が少なく、仕上がりの希望イメージに適しているエボニ色(一番下の色)を採用しました。

Garbo Design Space Office